【1月28日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)で開催中のシリア和平会議「ジュネーブ2(Geneva II)」は27日、政権移行をめぐって行き詰まりを見せた。しかし政権側と反体制派側は双方とも交渉継続の意向を示しており、国連(UN)は政権移行の問題を協議していく方針を明らかにしている。

 国連とアラブ連盟(Arab League)合同のシリア特別代表を務めるラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏は、これまでの協議では「大きな成果は出ていない」と認めつつも、対立が続くシリア政権側と反体制派側の双方に対し翌28日も協議の場に臨むよう促す考えを示した。

 さらに同氏は、2012年に開かれた最初のシリア和平会議で主要国が移行政府の樹立を求めていくことで合意した「ジュネーブ合意」について、28日の議題にすると明言した上で、「多くの要素の検討をどう進めていくかを決めていく」と述べた。

 国連が支援するこの和平会議でのシリア当事者間の協議は、27日で3日目を迎えたが、政治的問題に踏み込んだのはこの日が初めて。同会議は、13万人以上が死亡、数百万人が家を追われたシリア内戦の終結に向けた過去最大の外交的努力であり、政権と反体制派の双方の代表が協議を行っている。

 同日の協議では、政権側が政権移行に応じない内容の基本方針を示すと、反体制派は直ちにこれを拒絶。政権移行に向けた協議は開始早々、行き詰まりを見せた。

 反体制派は、ジュネーブ声明に基づいてバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の退陣と移行政府の樹立を実現すべきとしている一方で、政権側はアサド氏の退陣について、今回の会議で議論すべきではなく、12年のジュネーブ合意でも必要条件とされていないと主張している。

 一方で双方ともに、協議の場を離れるつもりはないとも表明している。(c)AFP/Jonathan FOWLER, Michael MAINVILLE