【1月28日 AFP】ローマ・カトリック教会の先々代の法王、故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)(在位1978~2005年)の血液が付着した遺品が、イタリアの教会から盗まれ、警察は探知犬を連れて付近一帯の捜査に乗り出している。

 この遺品は、同国中部の山地にあり、故法王がかつてよくスキー休暇で訪れていたアブルツォ(Abruzzo)州のサン・ピエトロ・デッラ・イエンカ(San Pietro della Ienca)教会から25日に盗まれた。

 当初の報道では、盗難に遭ったのは故法王の「血の小瓶」とされていたが、これを保管していたサン・ピエトロ・デッラ・イエンカ文化協会のパスクアーレ・コリエレ(Pasquale Corriere)代表がAFPに明らかにしたところによると、盗まれたのは故法王の血液が付着した小さな布片。1981年の暗殺未遂で故法王が銃撃された際に着ていたガウンの一部とされ、金とガラスでできた円形のケースに収められているという。

 この遺品は、ヨハネ・パウロ2世が亡くなるまで秘書を務めたスタニスワフ・ジービッシュ(Stanislaw Dziwisz)枢機卿が2011年に同教会に与えたもの。コリエレ氏は、「こんなひどい窃盗事件に誰が関与しているのか想像もつかない」と話している。

 同氏によると、故ヨハネ・パウロ2世の血液が入った小瓶は世界に3本しかないという。故法王は今年4月、ヨハネ23世(John XXIII)(在位1958~63年)と2人同時に「聖人」認定されることになっており、盗まれた遺品の価値はさらに大きく上がると見込まれている。(c)AFP