【1月24日 AFP】フランスで、「ファーストレディー」の法的地位をめぐる論議が改めて表面化している。きっかけはフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領と女優の不倫スキャンダル。現ファーストレディーのバレリー・トリルベレール(Valerie Trierweiler)さんがオランド大統領と婚姻関係にない事実婚パートナーだという事情が背景にある。

 ファーストレディーは国家元首の夫人を指し、フランスでは大統領夫人がこれに当たる。しかし、フランスにおいてファーストレディーの地位は公的にはずっと曖昧にされてきた。法的な役職ではないが、専任のスタッフや執務室が与えられ、その費用は税金で賄われている。

 山ほどあるフランスの法典の中に、大統領の妻またはパートナーに言及した法令はたったの1つだけだ。それは、大統領が死去した場合、大統領の妻もしくはパートナーも一般の配偶者と同様に遺族年金を受け取れるというものだ。

 その他には法的な規定がないにもかかわらず、歴代の大統領の妻やパートナーたちは大統領府エリゼ宮(Elysee Palace)内に配偶者用の執務室を持ち、秘書や警護を付けられてきた。