■パレスチナでは「歓迎」する声も

 大柄で白髪のシャロン氏は、政治と軍事の両面で辣腕(らつわん)を振るったイスラエル有数の指導者で、何かと賛否両論を巻き起こした。国内では優れた政治指導者として高く評価され、その断固とした行動から「ブルドーザー」の異名も取った。

 シャロン氏の訃報を受け、イスラエル国内外から相次いで哀悼の意が表明された。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)イスラエル首相は「深い悲しみ」を表明し、同国はシャロン氏を永遠に忘れないと述べた。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、シャロン氏は国家に人生をささげた指導者だったとの声明を出した。

 ただパレスチナでは、シャロン氏は国際的な法の裁きを逃れた「犯罪者」だったと改めて非難する声が上がった。パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)では、訃報を歓迎する動きが見られた。同地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は、同氏の死が「手がパレスチナ人の血にまみれている犯罪者の消滅」を示す「歴史的瞬間」だと述べた。(c)AFP/Jack GUEZ