【1月28日 AFP】イスラエルのベングリオン大学(Ben-Gurion University)は27日、同大学などの専門家らが、2006年に重度の脳卒中で倒れてから7年間昏睡(こんすい)状態が続いているイスラエルのアリエル・シャロン(Ariel Sharon)元首相(84)にMRI検査を行ったところ、シャロン元首相は家族の写真に反応するなどの「顕著な脳活動」を示したと発表した。

 これによるとイスラエル南部ベエルシェバ(Beersheva)の同大学の複数の神経科学者、同市のソロカ医療センター(Soroka Medical Centre)の専門家1名、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los AngelesUCLA)のマーティン・モンティ(Martin Monti)教授の合同チームは24日、シャロン氏に家族の写真を見せたり、息子の声を聞かせたり、触覚刺激を与えたりして、同氏の脳が外部刺激にどの程度反応するかを2時間にわたって調査した。

 その結果、「驚くべきことに、それぞれのテストで外部からの刺激を適切に処理していることを示す顕著な脳活動が、脳の特定の領域で観察された」(ベングリオン大学の発表)という。

  だが同大学によると、検査結果が示すシャロン氏の意識レベルは「安定しているが強くはない」という。モンティ教授は「外界からの情報がシャロン氏の脳の適切な部位に送られているのは確かだが、シャロン氏がこの情報を意識的に感知していることを明確に示す証拠にはならない」と述べたという。(c)AFP