【12月27日 AFP】スウェーデン北部では冬の訪れとともに、少数遊牧民族サーミ(Sami)の人々が雪山から数千頭のトナカイを連れて下りてきて、低地の牧草地で放牧する。数世紀にわたって続くサーミ伝統の暮らしだ。この伝統的な遊牧生活を今、鉱山開発が脅かしている。

 サーミは欧州連合(EU)加盟国内で唯一の先住民族で、小さいながらも緊密なコミュニティーを築いてきた。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがって約8万人が暮らす。しかし、この先どれくらい独自の生活様式を維持していくことができるのか、サーミ人たちは不安に襲われている。

 北極圏に近い町ヨックモック(Jokkmokk)近郊のJaahkaagasska地方では、露天掘り鉄鉱山の新規開発計画が認可されるかどうかに気をもむ地元のサーミ人100人余りが、自分たちの暮らしを守るべく立ち上がった。この1年間ずっと、環境活動家たちと共に抗議運動を続けている。