■利用者は満足

 さらに、持ち主たちから聞いてあるぬいぐるみの「個人的」な背景に合わせたストーリーを組み立てて写真を撮影する。あるツアーでは、混雑に慣れていない地方から参加したカエルが、東京っ子のウサギに背負われて東京見物に繰り出した。

 ぬいぐるみの持ち主たちは、こうした個別の配慮に感謝しているようだ。ある女性は自分のウサギのぬいぐるみが、他のぬいぐるみと一緒にレストランで食事している写真を見て、これほど幸せそうな様子は見たことがないと、東さんに話したという。

 また、このサービスに非常に満足しているという40代の女性は、かわいい2匹のぬいぐるみをツアーに参加させることが、おかしいとは全く思わないと述べた。「私自身がその場に居合わせなかったとしても、ぬいぐるみたちの眼を通して、風景や食事を楽しんでいます」という。

 写真のデジタル技術が進み、ぬいぐるみが観光地を訪れたように自分で写真を加工することは簡単だが、この女性は「実際に行って写真を撮るのは全く違うこと」で、「ぬいぐるみたちは旅行の楽しい思い出を胸に秘めているに違いない」と語った。(c)AFP/Miwa SUZUKI