■「自分の代わりに」と願い託す持ち主も

 一連のツアーを主催するウナギトラベルの代表・東園絵(Sonoe Azuma)さん(39)は、AFPの取材に対して「お客様は色々な方がいらっしゃいます。単純に楽しそうだからという気持ちで参加される方もいらっしゃいますが、入院していたり、障害をお持ちだったり、今子育てで忙しいとか、何かのご事情で自分が旅ができないから、代わりにぬいぐるみを参加させるという方もいらっしゃいます」と話す。

「中には車椅子で生活しているお客様もいらして、ご自身では行けないような階段だったり、車椅子が通れない細い道をぬいぐるみに歩いてほしいという具体的な願いをもって参加される方もいらっしゃいます。肌のご病気で、ご自身が外に長くいられないので、代わりにぬいぐるみに太陽をいっぱい浴びさせてほしいという申し込みもいただきました」

 ツアー前に、ぬいぐるみの持ち主に送付される申込書には「ツアー客」の名前の他、車酔いや船酔い、食物アレルギーの有無、さらにはぬいぐるみの趣味や、なぜツアーに参加するのかといった「個人的な」理由も書き込む欄がある。

 AFPも同行取材した東京ツアーでは、個性豊かな「旅行客」たちが東さんに託されていた。大阪から参加したトラ、神奈川から来たサメ、兵庫からはハローキティ(Hello Kitty)、北海道からはセサミストリートのビッグバードのミニバージョンがやって来た。この一団はウナギトラベル専属のツアーガイド、ウナギの女の子の「ウナシャ(Unasha)ちゃん」が案内する。