サンタクロースのブランド化、フィンランドの試み
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■サンタクロースの価値に値札は付かない
ずんぐりした米国のサンタクロースと違い、フィンランドのサンタクロースは黒いブーツではなくラップランド(Lapland)製の明るい茶色のブーツを履き、赤い衣装は上着とパンツとに分かれたものではなく、長いコートを着ている。白いひげもずっと長い。ポーニオ氏は「ひげの長さは厳密に決められていいる。体形もずっとスリムで健康的だし、米国のサンタクロースみたいに『ホー、ホー、ホー』なんて言わない」という。
喫緊の課題は、フィンランドのサンタクロースこそ本物だと消費者に思わせることだ。しかし、サンタクロースの価値に値札を付けるようなことはやり過ぎだろう。フィンランド経済研究所(ETLA)のミカ・マリランタ(Mika Maliranta)所長は「サンタクロースというコンセプトは著作権で保護されていないため、市場価値はゼロに等しい」と冷ややかだ。
さらに、サンタクロースに商品価値を付けようという試みは、クリスマスの時期を真面目に捉えている国々に対する侮辱にあたるかもしれない。調査会社インデレス(Inderes)のフィンランド株式市場アナリスト、ミカエル・ラウタネン(Mikael Rautanen)氏は「そんなことになれば、サンタクロースが象徴している価値に反する。それにクリスマスシーズンはもう十分に商業的だろう」と指摘している。(c)AFP/Raine TIESSALO