【12月19日 AFP】 エジプト軍によって7月に解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領と側近らが、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)およびイスラム過激派の関与した「テロリスト」攻撃を支援した「スパイ行為」の容疑で裁判にかけられることになった。検察当局が18日発表した。

 有罪になれば死刑となる可能性がある。モルシ前大統領は、デモ参加者の殺害に関与した容疑ですでに裁判にかけられている。

 検察側は、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領を打倒した2011年の大衆蜂起で、モルシ前大統領その他のイスラム主義者が脱獄した際にハマスが関与したのではないかという疑惑について捜査してきた。検察当局は声明で、モルシ前大統領と側近、およびムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)の幹部ら35人を「外国の組織による、(エジプト)国内でのテロ攻撃のためのスパイ行為」で起訴すると述べている。

 外国の組織にはハマスとレバノンのイスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)が含まれている。

 モルシ氏大統領在任中に大統領府のトップだったエッセム・ハダッド(Essam Haddad)氏らを含む複数の被告は、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)に国家機密を渡した行為でも告発されている。

 今回起訴される被告には、すでに暴力行為を扇動したとして裁判にかけられているムスリム同胞団の最高指導者ムハンマド・バディア(Mohamed Badie )師その他のイスラム主義最高幹部らが含まれている。(c)AFP/Samer al-Atrush