【11月26日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は25日、HIVウイルスに感染している若年層の数が過去10年間で33%も跳ね上がったと発表した。

 WHOによると、10代のHIV感染者数は200万人以上に上り、これは2001年比で33%の増加だという。

 感染者の多くは、症状を和らげ、他の人への感染を防ぐための治療やサポートを受けておらず、さらに数百万人もの若者が新たな感染のリスクにさらされているとWHOは警告している。

 エイズによる被害が世界で最も深刻なアフリカのサハラ以南地域では、HIVウイルスに感染した若者の大半が、時には強いられる形で、何の予防策も講じずに性行為を持った女性たちだとみられている。また同地域では、母親の胎内もしくは出産時にHIVウイルスに感染した子どもたちの多くが青年期を迎えていることも、感染のリスクを増大させる一因となっている。

 一方アジアでは、HIVウイルスの感染が最も深刻なのは、若い麻薬常用者たちだとされている。

 WHOのHIV/エイズ対策部門の責任者は「若者たちには彼らに合わせた医療サービスと援助が欠かせないが、成人よりもHIV検査を受けることが少ない上に、症状のケアに努めるよう支援し、継続して治療を受けさせることが難しい」と指摘した。

 サハラ以南では、15~24歳の若年層で自分のHIVステータスを把握しているのは、男性ではわずか10%、女性では15%にとどまっていると推測されている。(c)AFP