【11月18日 AFP】英国の情報機関、政府通信本部(GCHQ)が世界各地にある350以上のホテルの予約システムを監視し、各国の外交官の宿泊状況を過去3年以上にわたって把握していたと、ドイツの週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が17日報じた。米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が暴露した機密文書から判明したという。

 シュピーゲルによるとこの監視プログラムは、予約の時点で外交官の行き先の都市やホテルを把握し、到着する前に「技術部門」が作戦準備を済ませるのが目的。電話やファクスの通信傍受によって対象のホテルの部屋や宿泊者を監視するほか、ホテルのコンピューターネットワークに侵入したり、ホテル内のバーで外交官の会話を盗み聞いたりしていたという。

 この監視プログラムはコードネームを「ロイヤル・コンシェルジュ(Royal Concierge)」といい、王冠を被って紫のマントをはおり、王笏を手にしたペンギンのロゴマークが使われていた。このペンギンは、黒と白のカラーを高級ホテルのスタッフ制服に見立てたものだという。

 シュピーゲルは、この監視プログラムがどの程度頻繁に利用されていたのかは不明と伝えている。

 AFPの取材に対し、英政府報道官は「この報道に関してコメントはしない」と答えた。(c)AFP