【11月18日 AFP】パキスタンのチョードリー・ニサル・アリ・カーン(Chaudhry Nisar Ali Khan)内相は17日、かつて同国の軍事政権を率いたペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)元大統領を国家反逆罪で訴追する準備を開始すると発表した。

 同内相によれば、政府は18日、最高裁判所長官に書簡を送り、訴追手続き開始のため高等裁判所の判事3人による合議法廷の設置を要請するという。また政府は特別検察官を任命し、同日に発表する。

 訴追の内容は、2007年、ムシャラフ元大統領が軍の参謀総長を兼務したまま大統領に再選された約1か月後、この再選が法的に有効かどうかを最高裁が判断する直前に、同元大統領が非常事態宣言を発令して憲法と議会を停止したことが、国家反逆罪に当たるとするもの。

 同元大統領が訴追されることで、同国の文民政権は、強大な権力を保持する軍部と、これまで以上に深刻な対立へと突き進むことになる。

 ムシャラフ元大統領は、2007年に死傷者を出した首都イスラマバード(Islamabad)の「赤いモスク(Red Mosque)」強制捜査をめぐり訴追されていたものの、最近保釈が認められたばかり。ここ数か月は、判決が下される前に出国が認められるのではとの臆測が飛び交っていた。(c)AFP