【10月1日 AFP】2012年ロンドン五輪に出場した多くの一流選手の口の中の健康は、貧困地域の人々と同程度の状態だったことが、30日に発表された英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)」の論文で明らかになった。

 研究の対象になったのは、2012年ロンドン五輪の選手村にあった歯科クリニックを受診した、アフリカ、北中南米、欧州などの選手302人。これらの選手はそれぞれ25種類の競技に出場し、その内訳は約30%が陸上競技、14%がボクシング、11%がホッケー、8%が水泳だった。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)の研究チームは、選手村の歯科医を受診したこれらの選手の歯と歯茎を調査。その結果、選手の半数以上が虫歯にかかっており、うち41%の虫歯は元に戻らない状態だったことが分かった。

 また調査対象の選手の4分の3以上が、初期段階の歯周病にかかっており、15%は歯周炎の症状を示していた。

 これまでの研究で、スポーツ選手に口腔疾患が多いのは、エネルギー源となる炭水化物の多量摂取と激しいトレーニングによる免疫機能の低下が原因である可能性が指摘されている。(c)AFP