【9月29日 AFP】中国国営の新華社(Xinhua)通信は28日、中国の警察当局が人身売買の被害に遭った子ども92人を保護したと報じた。

 新華社が中国公安部の発表として伝えたところによると、子どものほか成人女性2人も保護され、犯罪組織のメンバー300人以上が拘束されたという。

 河南(Henan)省で起きた子どもの誘拐事件をきっかけに始まった警察の捜査は、主に中国南西部の11の省にまたがる大規模なものになった。グループのメンバーらが逮捕されたのは9月11日だったが、公安部が発表するまで明らかになっていなかった。

 新華社によると、犯行グループは組織内部で明確な役割分担ができていた。「誘拐担当者」が雲南(Yunnan)省や四川(Sichuan)省で子どもを誘拐。「輸送担当者」が他の地域に連れて行き、売人に引き渡していた。

 国民の間ではこうした人身売買に対する懸念が非常に高まっている。政府は厳格に取り締まると繰り返しているものの、被害者は増加し続けている。その背景に同国の「一人っ子政策」もあるとされている。男児が重視される一方で、女児は売られたり、捨てられたりすることもある。(c)AFP