【9月17日 MODE PRESS】サムスンファッション研究所によると、韓国のSPA市場は、2008年の5,000億ウォンから2011年には1兆9,000億ウォンと、3年間で約4倍もの規模に拡大している。

 韓国ファッション市場全体の規模は約29兆5,000億ウォンで、SPA市場が全体に占めるシェアは6%台に過ぎない。しかし、直近4年間でファッション市場全体の成長率が3.9%ということを考慮すると、SPA市場の成長性は非常に魅力的であるといえる。

■勢いのあるSPAブランド

 日本でも馴染みのある韓国発のSPAブランドFOREVER21をはじめ、シンプルでベーシックなアイテムを揃える若者向けブランド8secondsや、韓国出身の女性アイドルグループ4MINUTEとコラボをするなどして注目を集めるSPICY COLORなどが人気どころである。

■海外進出を前提とする戦略規模

 イーランドグループのSPAO、MIXXO、LGファッションのTNGTに続き、サムスングループの一社である第一毛織(株)が2012年に立ち上げたばかりのSPAブランド8secondsは、ブランドの立ち上げ前からスペインのSPAブランド「MANGO」とパートナー関係を結び、委託販売形式でSPA市場の可能性を探っていったそう。2020年には国内外で300店舗、売上1兆5,000億ウォンの目標を掲げ、世界的なSPAブランドに成長することを目指しているのである。

 2011年に登場したエイダイムのSPICY COLORは「ザ・K POPファッション」という印象が強く、ネオン使いやビニールなどの特殊素材使いが特徴的であり、「万人受け」という従来のSPAブランドとは一風変わったテイストを発信している。K POPカルチャーブームが起きているマレーシアの伊勢丹デパートの他、シンガポールなどにも進出している。

■ 海外進出に成功する秘訣とは?

 韓国企業はブランド影響力を重んじ、現地の市場のニーズに応じた製品を開発している。韓国LG経済研究院の金氏によると、「ブランド影響力は韓国製造業が成功を収めた最も主要な要素の1つである。韓国で最も成功したブランドとして挙げられるサムスンを例にすると、米国市場を開拓するため、サムスンは製品販売の2年前から米国市場向けの宣伝を強化した。このような方式でサムスンブランドは米国国民の心に深く印象づけられた。多くの米国人がサムスンのことを知っている中で、実際にサムスン製品が米国市場に出回ると、このブランド効果が奏功した。」と述べた。

 将来的に、韓国のSPAファッションもサムスン電子や現代自動車のような世界的ブランドに成長するのであろうか。今後の戦略から目が離せません。【大田明弥】

【関連情報】
連載:大田明弥が韓流女子を探る!『第1回』『第2回』『第3回』『第4回』

【参考サイト】
山口銀行アジアニュース<外部サイト>
中央日報<外部サイト>
livedoorニュース<外部サイト>
8seconds<外部サイト>
SPICY COLOR<外部サイト>