【9月6日 AFP】独ニュースサイト「シュピーゲル・オンライン(Spiegel Online)」は5日までに、シリアで先月に化学兵器が使用された疑惑について、ドイツ情報機関は政権側による攻撃とみているものの、膨大な数の死者が出たのは薬品の使用量の誤りが原因だった可能性があると認識していると報じた。

 シュピーゲルは、独情報機関・連邦情報局(BND)のゲルハルト・シンドラー(Gerhard Schindler)長官が議員らに対して行ったとされる極秘説明会の内容を報道。その中で同長官は、8月21日にシリアで起きた攻撃について、確証はないものの政権側によるものとみられるとの見解を述べたとされる。

 その一方で、米国が1400人以上と推定する膨大な死者が出たのは、薬品の使用量を誤ったことが原因の可能性があると述べたという。

 シンドラー長官は、ダマスカス(Damascus)近郊の反体制派戦闘員らを威嚇するために政権が毒ガス使用を命じた可能性があり、「ガスの製造過程で間違いがあり、計画よりもかなり多量の毒(ガス)が発射された可能性」があるとの見方を示したと、シュピーゲルは伝えている。

■「おじけづいて」化学兵器使用を命令?

 約30分に及んだ説明会でシンドラー長官は、シリア政権を支援するレバノンのイスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の幹部がイラン外交官と電話で交わした会話を傍受したことも明かしたという。

 シュピーゲルによるとヒズボラ幹部は、先月の攻撃がバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権によるものだと語り、アサド大統領は「おじけづいて」、化学兵器使用を命じるという「深刻な間違い」を犯してしまったと述べたという。(c)AFP