【8月7日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)による攻撃を警戒し、米国と同盟国は6日、イエメンから外交官らを退避させ、中東地域の在外公館の警備体制を強化した。

 過激派の通信を傍受した米国は、中東とアフリカの19の在外公館を10日まで一時閉鎖させている。通信の内容は、アルカイダの最高指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者による攻撃命令だったとの報道もある。

 公館閉鎖はアラブ世界全域で行われたが、米国はイエメンに対する警戒を最も強めた。米国務省はイエメンに入国しないよう米市民に警告するとともに、現在イエメンに滞在している米市民は「直ちに」退避するよう勧告した。

 匿名を条件に取材に応じた米高官によると、イエメン首都サヌア(Sanaa)の米大使館からは、必要不可欠な職員を除くおよそ75人の職員が軍航空機で出国した。

 一方、英国もイエメン大使館から職員を全員一時的に退避させると発表し、「職員が戻れるまで」大使館を閉鎖した。フランスとドイツも在外公館を閉鎖。ベルギー、イタリア、オランダは自国市民にイエメンからの出国を勧告した。

 イエメン政府は6日夜、米国の外交官退避に強く反応した。

 イエメンの外務省は同日、退避は「過激派の利益になるだけだ」と述べ、「イエメンと対テロ国際同盟との間の特別な協力関係を損なうことになる」と指摘。また「(同国の当局が)在外公館の安全と治安を確保するのに必要なあらゆる予防措置をとった」ことを説明した。(c)AFP/Nicolas REVISE