【7月17日 AFP】フランス保健省が16日、明らかにした情報によると、サウジアラビア保健省は、中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)対策のため、年に1度行われるイスラム教のメッカ巡礼(大巡礼)や、その他の期間に行われる小巡礼のために同国を訪れる人向けのビザ発給を制限する意向だという。

 医師らに出された仏保健省からの緊急通達によれば、巡礼ビザ発給の制限対象となるのは、高齢者(年齢範囲は指定なし)、妊娠中の女性、子ども、および慢性的な持病、とりわけ心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、腎臓病、免疫システム不全の罹患者などで、今年はこうした対象者にビザを発給しない方針。通達はサウジアラビア保健省を監督する保健総局が発行した。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、MERSによる死者は世界全体でこれまでに45人で、うち38人がサウジアラビア国内で死亡している。(c)AFP