【7月12日 AFP】地球から遠く離れた場所に、もう一つの「青い惑星」があることが分かった。ただし、水に満ちた惑星ではなく、「ガラスの雨が横殴りに」降る灼熱の惑星だという。

 米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)の科学者らは、ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)を使い、太陽系外惑星の色を初めて特定した。

 系外惑星「HD 189733b」は、その大部分がガス状の物質で構成される巨大惑星で、地球から63光年離れた場所にある。観測の結果、この惑星の色が濃いコバルトブルーで、「宇宙から見た地球の色に似ている」ことが分かった。

「だが、類似点はそれだけだ」と、チームは声明で述べている。

 この惑星は恒星を非常に近い距離で公転しているため、大気は1000度以上に熱せられる。声明によると、「横殴りのガラスの雨が、時速7000キロメートルで降る」という。

 この惑星は地球に最も近い系外惑星の一つで、公転する恒星の前を横切る姿が観測できるため、これまでハッブルなどの望遠鏡を使って盛んに観測されてきた。

 英学術誌「アストロフィジカルジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に掲載された論文を共同執筆した英エクセター大(University of Exeter)のFrederic Pont氏は「色が分かったのはこれが初めて。直接目で見たとき、どんなふうに見えるのかがこれで想像できる」と述べている。

 Pont氏のチームは、惑星の表面で反射される光の比率(アルベド)を観測し、色を割り出した。この惑星の青色は、地球と同じ海からの光の反射ではなく、荒れ狂うかすんだ大気からの反射によるものだという。この大気には、ガラスの主成分であるケイ酸塩の粒子が含まれ、この粒子が光を散乱させて青色を生み出していると考えられている。(c)AFP