【7月4日 AFP】米国務省が交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)の同省公式ページの「いいね!」ボタンのクリック数を増やそうと、2年間で63万ドル(約6300万円)を投じていたことが判明した。歳出削減を求められているさなかとあって、同省には3日、批判が殺到した。

 国務省の独立監視機関「監察総監室(Office of the Inspector General)」が前月末に発表した報告書は、「デジタル広報活動を特定の広報外交目的に誘導する必要性」からソーシャルメディア政策の担当者がまとめた。

 それによると、国務省は2011年と12年に実施した2件の広報活動において、「フェイスブックに設けた4つのテーマに関するページでファンを増やすことにより、海外にいる米国の支持者との関係を深めるための世界の人々に向けた広報活動の基盤を構築する」ことを目標に掲げ、計63万ドルを費やしていた。

 報告書は、この広報活動については省内からも「ファンの買収だ」と批判する声が出ていると指摘。広告キャンペーンに触発されて1回「いいね!」を押した程度のユーザーたちは、実際はその記事や写真に関心があるわけではなく、長期的な訪問者となることはない可能性が高いと述べている。

 米国際情報計画局(Bureau of International Information Programs)が管理するフェイスブックの4つのページは、今年3月半ばまでに各250万人のファンを獲得した。だが、このうち投稿記事に「いいね!」を押したり、掲載された情報を他のユーザーと共有した人は、わずか2%にとどまった。

 報告書は、ほとんどの投稿に対するコメントや共有は100件に満たず、最も多い場合でも数百件に過ぎなかったと指摘している。(c)AFP