【6月13日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)の住宅で女性3人を約10年にわたって監禁した上、妊娠した被害女性の腹を殴って堕胎させたとして、誘拐や強姦(ごうかん)、殺人の罪に問われたアリエル・カストロ(Ariel Castro)被告(52)が12日、罪状認否で無罪を主張した。

 カストロ被告には、加重殺人罪で有罪となれば死刑が言い渡される可能性がある。オハイオ州では、誘拐と関連して起きた加重殺人は極刑の対象となる。

 オレンジ色の囚人服に身を包んだカストロ被告は、顔を下に向けながら入廷し、言葉を発することはなかった。罪状認否は被告に代わり弁護人が行った。

 米国の大半の州では、合法な人工妊娠中絶を行う女性の権利を保護する一方で、妊娠中の女性に危害を加える者を罰することを可能にする胎児殺関連法が存在する。

 だが、カストロ被告の弁護団は、被告が被害女性を強制的に堕胎させたことを証明する十分な「医学的・法医学的な証拠」があるかは疑わしいと主張している。弁護人の1人は記者団に対し「加重殺人と死刑に関する不必要な審理を避けるため、努力を続けていけるよう願っている」と述べた。(c)AFP/Afi-Odelia Scruggs