【6月11日 AFP】うだるような暑さを迎えているスウェーデン首都ストックホルム(Stockholm)で、半ズボンでの勤務を禁止する社内規則に抗議してスカートの着用を始めた通勤電車の男性運転士らが話題になったことを受け、運行業者アリーバ(Arriva)は10日、同規則を撤廃すると発表した。

 同市の近郊路線ロスラグスバナン(Roslagsbanan)の男性職員15人は、この社内規則に違反することなく暑さをしのぐため、先週からスカートの着用を始めた。職員らによると、夏の晴れた日の運転室内の温度は35度にまで上がることもあるという。

 アリーバの広報は10日、「職員から寄せられた多くの提案に耳を傾けた結果、この問題に関しての方針を変えることを決めた」と述べた。職員には、今年の夏に向け、半ズボンの制服が支給されることになるという。新規則はスウェーデンで働くアリーバの全職員に適用される。

 同社はこの前日、AFPの取材に対し「勤務中はきちんとした、しかるべき服装で、というのがわが社の方針だ。男性ならズボン、女性ならスカートということになるが、半ズボンは禁止している。ただし、スカートなど女性の衣服を着用したいという男性職員がいれば、会社として容認している」と説明していた。

 スウェーデンは古くから男女平等が進んでいる国として知られ、働く女性と「主夫」が増えている。言葉の上でも「彼」「彼女」の代わりに男女を区別しない新たな代名詞の使用を推進する運動が展開され、玩具大手チェーンのクリスマス向けカタログでは女児の代わりに男児が人形を持つ写真が使われるなど、「性別における中立性」を目指す動きがみられる。(c)AFP