【6月10日 AFP】香港(Hong Kong)のビクトリア・ハーバー(Victoria Harbour)では9日、約1か月にわたって中国全土にブームを巻き起こしてきた黄色いゴム製の「巨大アヒル」に別れを告げようと、大勢の群衆が港に詰め掛けた。この日が公開最終日となった全高16.5メートルの巨大アヒルは、オランダ人の芸術家フロレンティン・ホフマン(Florentijn Hofman)氏の作品で、5月2日からビクトリア・ハーバーに浮かんで地元民や観光客の人気を集めていた。

 香港の街角に便乗商品や便乗メニューなどが登場した一方、中国本土でも各地で作品をまねた巨大アヒルが続々出現。中国共産党の機関紙「人民日報(People's Daily)」が「創造性に欠ける海賊行為」と非難したほか、天安門(Tiananmen)事件から24年を迎えた6月4日には、有名な当時の写真の中の戦車を黄色いアヒルに置き換えた画像がインターネット上に出回り、「黄色いアヒル」という語での検索ができなくなるといった騒ぎにもなった。

 アヒルが10日朝に海面から引き揚げられ、船で次の公開地・米ピッツバーグ(Pittsburgh)へと向かう。(c)AFP