【6月3日 AFP】欧州中部は先週末、記録的な集中豪雨に見舞われ、洪水や土砂崩れのため2日の時点で4人が死亡、少なくとも8人が行方不明になっているほか、数千人が避難した。オーストリア、ドイツ、チェコでは数百か所で道路や鉄道が使えなくなり、被災地域に軍を派遣して救援を急いでいる。

 独DPA通信によるとドイツでは南部と東部の一部地域で48時間の降水量が記録的な水準に達し、ある地方ではドナウ川(Danube River)の堤防が複数箇所で決壊して数十町村に洪水警報が出された。

 オーストリアでは豪雨による土砂崩れで1人が死亡、2人が行方不明となり、数百人が避難。西部のフォアアルルベルク(Vorarlberg)、チロル(Tyrol)、ザルツブルク(Salzburg)、オーバーエスタライヒ(Upper Austria)の各州に洪水警報が出された。同国気象当局によると、週末の数日で平年のこの時期の2か月分の雨が降ったという。

 一方チェコでは、プラハ近郊で3人が死亡し少なくとも6人が行方不明となり、政府が非常事態宣言を出し数百人が避難した。プラハ動物園(Prague Zoo)や病院からも避難した。スイスでは各地で湖の水位が上がり、土砂崩れの危険が高まっている。(c)AFP