【5月11日 AFP】中米グアテマラの裁判所は10日、1960年代の内戦時に先住民を大量殺害したとして、ジェノサイド(大量虐殺)や戦争犯罪の罪に問われていた当時の独裁者、エフライン・リオス・モント(Efrain Rios Montt)元将軍(86)に対し、禁錮80年の有罪判決を言い渡した。

 特定の民族の絶滅を試みるジェノサイドの罪での有罪判決が、中南米人に下されたのは初めて。グアテマラでは1960年から36年間にわたり続いた内戦で、約20万人が死亡または行方不明になった。裁判でリオス・モント元将軍が同国軍に指示したとされたのは、同国北部キチェ(Quiche)で計1771人の先住民が犠牲となった15件の虐殺事件だった。

 リオス・モント元将軍にはジェノサイドで禁錮50年、戦争犯罪で禁錮30年の刑が下されたが、上訴する意向を明確にしている。

 活動家らは、裁判所が自国民にジェノサイドの罪で有罪を言い渡したのは世界初であるとして、今回の判決を歴史的なものだと評価している。

 ジェノサイドとは、特定の集団を人種や宗教、政治その他の理由に基づき組織的に絶滅させようと試みること。これまでは1994年のルワンダ虐殺に関する裁判のように、国際法廷で裁かれてきた。(c)AFP/Edgar Calderon and Henry Morales Arana