【3月30日 AFP】イングランド・チャンピオンシップリーグ(2部)、リーズ・ユナイテッド(Leeds United)を退団した後、自身が同性愛者であることを告白した元サッカー米国代表のロビー・ロジャース(Robbie Rogers)氏が、荒々しい男らしさが求められるサッカー界で、選手がゲイであることを公にすることは「不可能」だと語った。

 25歳のロジャース氏は、今年1月にクラブと双方合意の上でリーズを退団。その数週間後、自身のウェブサイト上で自分がゲイであるということを告白し、ジャスティン・ファシャヌ(Justin Fashanu)についで、イングランドのプロサッカー選手としては史上2人目のセクシャリティを公言した同性愛者となった。

 カミングアウト後初めてのインタビューに応じたロジャース氏は、選手同士で残酷な内容の冗談を言いあったりすることがあるロッカールームはゲイの選手にとっては居心地の悪い場所だと 英紙ガーディアン(The Guardian)に話した。

   「サッカー界でゲイを公言することは明らかに不可能です。誰もカミングアウトしない。これはおかしいことだし、悲しいこと。サッカーは素晴らしいスポーツですが、同時に残酷なスポーツでもあります。そこにゲイという要素が融合できる場所はありません」

   「(自身のセクシャリティについて)チームメイトがどう反応するかとても怖かった。チームメイトが豹変するんじゃないか?カミングアウトしたからといって僕自身が違う人間になるわけでもないのに、移動のバスや、ロッカールームの中でのチームメイトの僕に対する態度が変わるんじゃないか?と怯えていました」

 リーズに加入する以前はオランダ・エールディビジのヘーレンフェーン(SC Heerenveen)や米メジャーリーグサッカー(MLS)のコロンバス・クルー(Columbus Crew)などでもプレーをしていたロジャース氏は、チームメイトがゲイを侮辱する軽口や罵言を言うのを何度も聞いたことがあるという。

 このような経験があったからこそ、現役中に同性愛を公言できなかったとロジャース氏は語る。

   「(侮辱的な発言を聞いて)色々な感情を抱きました。当惑することもあったし、冗談が面白くて笑ったこともあった。でも中には、悪意に満ちた言葉もあった。そのような発言を聞いた時、胸の中がとても気持ち悪くなりました。みんな本当に悪気があるわけじゃないけど、集団心理が存在するのです。みんなを笑わせてリーダーになってやろうという意識があって、大人なのに高校に戻ったようでした」

   「チームメイトの悪口を聞いて、『サッカーから身を引いて、自分のセクシャリティを公言して、心の安らぎを得よう。再出発しよう』と決めたんです」

 カミングアウト後の反応は良好だというが、ロジャース氏は再び選手としてサッカーに復帰するかどうかは決めていないという。

   「サッカーは常に自分の一部にある。プレーするのが恋しいし、いつもサッカーのことは考えている。だけど今がとても幸せなので、この幸せを壊したくはありません」(c)AFP