【3月29日 AFP】ブラジル南部クリチバ(Curitiba)にあるエバンジェリコ病院(Evangelical hospital)で、入院患者7人を殺害したとして訴追された医師のビルジニア・デソーザ(Virginia Soares de Souza)被告(56)について、同国保健省の調査チームは27日までに、余罪があるものとみて調査を開始した。殺害された患者は最大で300人に上る可能性もある。

 デソーザ被告は、この病院の集中治療室(ICU)で責任者を務めていた。調査チームは現在、過去7年間に同被告が対応した患者ら1872人分のカルテについて分析を進めている。なお事件性の疑われる20件については、既に捜査が行われているという。身柄拘束から約1か月後の20日、デソーザ被告は保釈された。同被告はすべての容疑を否認している。

 検察当局によると警察はすでに、患者が窒息死するよう、デソーザ被告が薬物の処方・投与を行ったことを示す供述や盗聴記録を入手しているという。保健省筋がAFPに明らかにしたところによると、同省が調査を指示したのは、警察の盗聴記録で患者および親類が疑念を示していた、もしくは「治療以外に薬物が使用された」患者約300人について。デソーザ被告の弁護士はこの「300」という数字について、話題作りが目的であるとして批判している。

 一連の事件に関する調査は、病院元職員と患者の親戚からの報告を受け、約2年前に開始された。地元テレビ局グロボ(Globo)はこれまでに、「(ICUの)混雑を緩和させたい」、「私たちは来世に患者を送り込む踏み切り板の役割を果たしている」と話すデソーザ被告の録音音声を放送している。

 この事件では他にも、部下の医師や看護師、理学療法士ら7人も訴追されている。(c)AFP