【7月13日 MODE PRESS】カタールの大手民間投資家グループが出資するメイフーラ・フォー・インベストメンツS.P.C.(メイフーラ)は、ヴァレンティノ・ファッション・グループS.p.A.(VFG)を買収することで合意した。2012年7月11日、メイフーラと、ペルミラ・ファンドがマルゾット・ファミリーと共同で間接的経営権を持つレッド・アンド・ブラック・ルクスS.à.r.l.の間で、契約締結に至った。

 メイフーラはVFGの買収により、ヴァレンティノS.p.A.(ヴァレンティノ)とエム ミッソーニ(M MISSONI)のライセンス事業を傘下に収める。一方、MCSマールボロ・クラシックスはVFGから分離し、レッド・アンド・ブラックの傘下に留まる。また、ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)も 今回の買収の対象とはならず、引き続きレッド・アンド・ブラックが過半数の株式を保有する。

 ペルミラ・ファンドは2007年、ヒューゴ・ボスへ出資すると共に、マルゾット・ファミリーと共同でレッド・アンド・ブラックを通してVFGの経営権を取得した。

■コメント:メイフーラ・フォー・インベストメンツS.P.C.

「ヴァレンティノは、これまで常に独自の創造性と確固たる名声に支えられた ブランドでした。私たちは、ヴァレンティノの二人のクリエイティブ・ディレクター、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)氏とピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)氏が生み出す作品、そしてステファノ・サッシ氏が率いる経営陣に、大変感銘を受けています。ヴァレンティノは、創設者ヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏の美的価値観と、現代的で洗練されたヴィジョンとを融合することにより、ヴァレンティノというブランドが持つ同時代性を高めると共に、さらに未来へ向かうポテンシャルを備えたプラットフォームを構築してきました。経営を長期的に支えることにより、このブランドのポテンシャルを最大限に引き出すことが私たちのヴィジョンです。 グローバルで、強力なラグジュアリーグループに成長するための基盤となるには、ヴァレンティノは理想的であると考えています」

■コメント:ヴァレンティノの最高経営責任者(CEO)ステファノ・サッシ

「私たちは今回の合意を大変喜んでいます。 当社は、過去数年間のラグジュアリー市場の変動をよそに事業に邁進し、ヴァレンティノというブランドが持つポテンシャルを最大限に引き出すことに集中してきました。こうした取り組みにより、2012年には2009年比で60%の売上げ増を見込んで います。今回メイフーラが当社の新しい株主となることで、私たちのポテンシャルが最大限引き出されるようになるでしょう。 なお、私たちが長期計画の第一段階を実行に移す際に、ペルミラ・ファンドとマルゾット・ファミリーは、産業的側面における 洞察と支援を提供してくださいました。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います」

 ヴァレンティノの2012年上半期の売上高は前年同期比23%増で今後ますますの成長が期待される。(c)MODE PRESS