【5月29日 AFP】国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長は28日、同国中部ホウラ(Houla)で100人以上が殺害された事件を受けて自身が提示した調停案の順守をシリア政府に求めるため同日シリア入りした。

 ダマスカス(Damascus)で記者会見したアナン特使は、ホウラの「悲劇的な」虐殺は「悲惨な結末をもたらした恐ろしい出来事」だったと述べ、虐殺の関与者の責任を追求すべきだと語った。さらに、政府だけでなく「武器を持つ全シリア国民」に対し、アナン特使が提示した6項目の調停案を順守するよう呼びかけた。

 調停案に関してアナン特使は、その受け入れは包括的でなければならないと指摘し、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領と真剣かつ率直に協議したいと述べた。

 アナン特使は、シリアのワリード・ムアレム(Walid Muallem)外相、国連のシリア停戦監視団長のノルウェーのロバート・ムード(Robert Mood)少将と会談。国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、ムアレム外相は「シリア政府はあらゆる分野で改革を行ってきた。(それにもかかわらず、)今シリアで起きていることの真相は、混乱の種をまくことを目的とした法と秩序に対する攻撃だ」とアナン特使に説明した。

 シリア政府高官によると、アナン特使とアサド大統領の会談は29日に予定されている。(c)AFP

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