【12月13日 AFP】不朽の名作『市民ケーン(Citizen Kane)』で、オーソン・ウェルズ(Orson Welles)が受賞したアカデミー賞(Academy Awards)脚本賞のオスカー像が20日、米ロサンゼルス(Los Angeles)で競売にかけられる。競売を主催するネイト・D・サンダース(Nate D. Sanders)が12日、発表した。

 ウェルズが1942年に手にしたこのオスカー像の予想落札価格は100万ドル(約7800万円)。4年前にもニューヨーク(New York)で競売に出品されたことがあるが、当時は落札されなかった。しかし主催者は、傑作といわれる『市民ケーン』が獲得した唯一のオスカーであるこの像への関心は高いと自信を見せている。

 足部分に色あせた箇所はあるが、主催者によれば、出品されるオスカー像は「全体的に非常に良好な状態」だという。

『市民ケーン』は、当時25歳だったウェルズが手掛けた初の長編映画。新聞界で覇権を取ることに心を奪われた男を描き、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト(William Randolph Hearst)をモデルにしたといわれている。評価も高く、英映画協会(British Film Institute)と米映画協会(American Film Institute)の両方で、映画史上最高の作品に選ばれている。

 しかし、興行が振るわず、アカデミー賞作品賞へのノミネートは逃した。脚本賞、監督賞、主演男優賞へノミネートされたが、獲得できたのは脚本賞のみ。ウェルズにとっても、これが最初で最後のオスカーとなった。

 このオスカー像はその後、しばらく所在が不明だった。紛失したと思っていたウェルズだったが、その死後に発見され、1994年、娘のベアトリス(Beatrice)さんが相続。2002年、ベアトリスさんは米映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)との裁判に勝利し、同像を売却する権利を勝ち取った。サンダースによれば、この裁判の過程で、同像の価値は100万ドルと推定されたという。
 
 2007年12月、ニューヨークで行われたサザビーズ(Sotheby’s)のオークションに出品されたが、落札を逃している。(c)AFP

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