【11月17日 AFP】アゲハチョウが足を使って植物を「味見」して見分け、卵を産み付けるために最適な葉を選んでいることを、JT生命誌研究館(JT Biohistory Research Hall、大阪府高槻市)と九州大(福岡市)などの共同研究グループが発見した。

 16日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された報告によるとこの研究によって、アゲハチョウは自分がとまった葉の味を見分ける感覚器を前足にもっていることが初めて明らかになった。

 アゲハチョウの幼虫は、特定の種類の植物の葉を必要とする。そこで、メスが卵を産み付けるために正しい植物を選ぶ能力は、孵化した幼虫の生存の鍵となってくる。

 研究チームは、アゲハチョウがとまった葉の上で足踏みをするように前足を動かし、特定の化学物質が存在していることが分かった時にのみ産卵していることを発見した。異なる種の生物が、化学物質の感知を利用していかに生存の可能性を高めているかということを知る研究に新たな光が当たったという。

 今回の発見からさらに他の受容器官(産卵プロセスの中で使われる)を特定する道が開け、チョウによる寄生植物の選択の進化の理解につながると、研究チームでは説明している。(c)AFP

【参考】ネイチャーコミュニケーションズの記事(英語)