【11月7日 AFP】(一部更新)英イングランド南西部トーントン(Taunton)近郊の高速道路「M5」で4日夜、34台の車を巻き込む衝突・炎上事故が発生し、少なくとも7人が死亡、51人が負傷した。捜査当局では、現場に隣接するラグビー場で行われていた花火大会が事故の原因とみて、調べを進めている。

 英国では過去20年で最悪の規模となった事故現場では、1日以上が経過した6日も救助活動が続いている。現場には燃え残った車の破片や、黒く焼けこげてねじれた金属部品などが散乱。捜索活動を続ける救助隊によると、今後も犠牲者が増える可能性が高い。

 事故が起きたのは4日午後8時25分(日本時間5日午前5時25分)で、現場は巨大な炎に包まれた。現場で撮影された映像には、自らの命を危険にさらして炎上する車のドアをこじ開け、乗っていた人を救助しようとするドライバーらの姿が映っている。目撃者によると、爆発が起きて火柱が上がり、鼻を突く煙が夜空に大量に巻き上がったという。

 英自動車協会(Automobile Association)のエドモンド・キング(Edmund King)代表は、1991年3月にM4高速道路で51台の車を巻き込み10人が死亡した事故以来、最悪の衝突事故だと語った。

■隣接地での花火が原因か

 事故原因の究明にあたっている地元警察当局では、現場に隣接する地元ラグビークラブのコートで事故の10分前まで行われていた花火大会に注目している。

 捜査当局によると事故発生時、現場付近では霧が発生し、路面が濡れていた。一方、目撃者の表現によると高速道路上は厚い煙に覆われ、濃霧に包まれたように視界の悪い状態だったという。警察では、花火大会が許可された経緯や運営方法などに重点を置いて捜査を進めているという。

 11月5日は、1605年に議会を爆破して当時の英国王ジェームズ1世(King James I)を暗殺しようとした陰謀が発覚し首謀者のガイ・フォークス(Guy Fawkes)が捕らえられたことを記念するガイ・フォークス・デー(Guy Fawkes Day)で、英国では夜にかがり火をたき、花火を打ち上げて盛大に祝う慣わしがある。(c)AFP/Carl Court、Robin Millard

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