【9月5日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)の人気観光名所、ナボーナ広場(Piazza Navona)にある歴史的建造物「ムーア人の噴水(Fontaine du Maure)」の一部が3日早朝、何者かに破壊された。イタリア警察が、監視カメラの映像を頼りに犯人を追っている。

 警察によると、監視カメラの映像には、濃い色の上着にジーンズ姿の45歳前後と見られる男が泉に入り込み、大きな石を手に噴水内の像や小さな彫刻類を壊す姿が映っていたという。

 広場南端にある「ムーア人の噴水」は底にピンク大理石が敷かれ、イルカと格闘するムーア人の銅像の周囲を、4対の海の神トリトン像が取り囲んでいる。イルカとトリトンは1575年にジョコモ・デッラポルタ(Giocomo della Porta)がデザインしたもので、その後1653年に建築家ジョバンニ・ロレンゾ・ベルニーニ(Giovannni Lorenzo Bernini)によってムーア人の銅像が付け加えられた。オリジナルの像は1874年、修復のために市内のボルゲーゼ公園(Villa Borghese)に移され、現在の泉に設置されているのはその時作られた複製。

 文化遺産当局のウンベルト・ブロッコリ(Umberto Broccoli)局長は、被害は限定的で、破壊された部分も全て回収できており、恐らく元通りに修復できるだろうと話している。(c)AFP