【5月19日 AFP】英君主として100年ぶりにアイルランドを訪問中の英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は18日、英国からの独立を求めて命を落とした人々に「哀悼の意をささげる」と述べた。

 1920年の独立戦争で英国軍により14人が殺害された首都ダブリン(Dublin)のクローク・パーク(Croke Park)を訪れたエリザベス女王は、「歴史の重みを無視することはできない」と述べ、犠牲者が忘れ去られることはないと言葉を継いだ。

 英君主からこのような言葉が発せられるのは、つい最近までは考えられないことだった。1937年に独立を果たし、英国統治領の北アイルランドでの和平プロセスが進んでいることが大きな要因と言える。

 女王は同日ダブリン城(Dublin Castle)で行われた晩さん会で、「両国が歴史上、必要以上の苦悩、混乱、犠牲を経験したことは悲しく、残念なことだ」と語った。

 女王の訪問場所近辺には共和主義のデモ隊100人程度の姿もみられたが、厳重な警備によってブロックされた。警察によると、5人が逮捕されたという。(c)AFP/Robin Millard