【5月3日 AFP】ジョン・ブレナン(John Brennan)米大統領補佐官(テロ対策担当)は2日、米特殊部隊の作戦によりパキスタンで殺害された国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者について、同国に何らかの支援ネットワークが存在していたとの見方を示し、徹底調査を行うと明言した。

 記者会見で報道陣の質問に答えたもので、ビンラディン容疑者がイスラマバード(Islamabad)郊外のアボタバード(Abbottabad)に長期間潜伏できた状況について、パキスタン側に事情を聞いている最中だと述べた。

 米政府当局は、容疑者が潜んでいた要塞(ようさい)のような隠れ家にパキスタン政府が一切注意を払わなかった事実に当惑している。

 ブレナン氏は、ビンラディン容疑者の遺体を乗せた特殊部隊のヘリがパキスタンを離れるまで、パキスタン政府に作戦について通知しなかったことも明らかにした。米政府がパキスタン政府に不信感を抱いていることの表れだ。

 同氏は、作戦でビンラディン容疑者の妻の1人と見られる女性が死亡したことも明らかにした。女性は「人間の盾」にされていたようだという。作戦では、ほかにもビンラディン容疑者の息子と男性2人の3人が死亡したが、米海軍の特殊部隊SEALSに死者は出なかった。

 なお、米当局によると、DNA鑑定で本人であることが確認されたビンラディン容疑者の遺体は、米空母カールビンソン(USS Carl Vinson)でイスラム式の葬儀が行われたあと水葬された。陸地に埋葬して、容疑者を殉教者として崇拝する過激派らの「聖地」になることを避けるためだという。

 一方、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は2日も記者会見し、「世界は以前よりも安全で良い場所になった」と述べた。(c)AFP/Stephen Collinson