【8月5日 AFP】(写真追加)英国のスーパーモデル、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)さん(40)が5日、西アフリカのシエラレオネ内戦におけるチャールズ・テーラー(Charles Taylor)リベリア元大統領(62)の戦争犯罪を審理するシエラレオネ国際戦犯法廷(SCSL)に出廷して、テーラー被告からの贈り物について証言した。

 テーラー被告は、戦争犯罪および人道に対する罪に問われているが、キャンベルさんは1997年9月、南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)大統領(当時)主催の晩餐会でテーラー被告から、いわゆる「紛争ダイヤモンド」を贈られたとされている。

 オランダ・ハーグ(Hague)で開かれた公判にクラシックな薄いベージュ色の2ピーススーツ姿で出廷したキャンベルさんは、贈り物について「部屋で寝ていたら、ドアをノックされた。ドアを開けると2人の男性が立っていて、『あなたへの贈り物です』と言ってポーチを手渡された」と証言。その夜はベッド脇にポーチを置いたまま眠ってしまい、翌朝、ポーチの中身を見たという。

 ポーチの中には2~3個の「石が入っていた。小さな石で、汚れていた。手紙の類は一切なかった」という。さらにキャンベルさんは、「その汚ない小石がダイヤモンドだとは、すぐにはわからなかった。小箱に入っていて、輝いているダイヤに見慣れていたから」と語った。

 朝食の席で、当時、キャンベルさんの専属エージェントだったキャロル・ホワイト(Carol White)さんと女優のミア・ファロー(Mia Farrow)さんに話したところ、2人のうちどちらかが、贈り主はテーラー被告に間違いないと断言した。キャンベルさんも「わたしも、そう思う」と答えたという。

 その後、キャンベルさんはダイヤモンドを、マンデラ氏が設立した子ども基金関係者に寄付したという。

 さらに、キャンベルさんは、テーラー被告に贈り物について尋ねたことはなく、それ以降はテーラー被告と会っていないと証言。昼夜を問わず、贈り物をもらうことは日常茶飯事だったため、何の疑問もいだかなかったという。

 シエラレオネ国際戦犯法廷がキャンベルさんを召喚した目的は、武器調達の資金源となったダイヤの原石を所有したことはないとのテーラー被告の主張を覆すことにある。

 9日には、ホワイトさんとファローさんが出廷して、キャンベルさんに贈られた物について証言する。(c)AFP

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