【4月19日 AFP】世界の海洋性微生物の調査解明を行う国際ネットワーク「海洋性微生物の国際センサス(International Census of Marine MicrobesICoMM)」の科学者チームは18日、地球の環境プロセスの理解に役立つ海洋性微生物の調査結果を公表し、普段では見ることの難しい微生物や動物性プランクトン、幼生などの豊かな多様性を明らかにした。

 新たなデータによると、実際に存在する海洋性微生物の数はこれまで分かっていた約2万種をはるかに上回るという。

「分子特性化に基づくと、バクテリアと古細菌(単細胞微生物)の双方を含めた海洋性微生物の分類数は10億近くある可能性が高い」と、ICoMMの科学諮問会議の議長を務める、米ワシントン大学(University of Washington)のジョン・バロス(John Baross)氏。これらの海洋性微生物は海洋バイオマス全体の50~90%を構成しており、容量は2400億頭のアフリカゾウの体重に匹敵するという。

 研究者らは、さまざま海洋性微生物の数や種類、役割を明らかにすることが、「食物連鎖や炭素循環などの地球上の基礎構造の大きさ、活動性、安定性」を知る上での重要な手がかりとなるとしている。

 今回の研究には、80か国を超える国から2000人以上の科学者が参加し、世界各地1200か所以上で行われた。収集された海洋性微生物のDNA配列は1800万にもおよび、過去に実施された国際調査に中でも最大規模という。(c)AFP/Jean-Louis Santini