【3月13日 AFP】米国のプライドをぐっと飲み込み、ロバート・ギブス(Robert Gibbs)米大統領報道官は12日、アイスホッケー・カナダ代表のユニフォームを着て記者会見に登場した--2010年バンクーバー冬季五輪のアイスホッケー男子決勝で、どちらが勝つかを賭けていた両国首脳にあわせ、負けたほうの報道官が公式の場に相手チームのジャージーを着て現れるという「罰ゲーム」を、ギブス氏は約束どおり実行した。

 アイスホッケー男子決勝で、カナダチームは延長戦の末、スター選手シドニー・クロスビー(Sidney Crosby)が決勝点を挙げて米国を3-2で破り、優勝した。この試合は両国で何百万人もが視聴した。

 会見を始めたギブス報道官は開口一番、「最初にいつもの服装でないことをお断りしておく。ディミトリ(ソーダス・カナダ首相報道官)との約束だからね」と述べた。白地に大きな赤いカエデの葉があしらわれたカナダ国旗と同じデザインのユニフォーム、背中には米報道官の名字「ギブス」がしっかりプリントされていた。また五輪アイスホッケー男子のMVPに輝きながらも、最後にクロスビーの一撃に屈した米代表チームのゴールキーパー、ライアン・ミラー(Ryan Miller)に敬意を表し、彼の背番号39番が配された。

 しかしギブス報道官は、政治の舞台ならではのトリックを披露。すぐにカナダ代表ジャージーを脱ぎ去ると下にはちゃっかり、青と白の米代表ジャージーを着ていた。

 ギブス報道官の上司たるバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は同じ賭けで、カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相に負け、ビールを進呈することになった。この日の会見でギブス報道官は、「モルソン・カナディアン(Molson Canadian)とイエングリング(Yuengling、米ペンシルベニア産)のラガー1ケースずつをカナダ首相官邸に届けるよう、カナダの米国大使館と大使に命じたところだ」と明かした。(c)AFP

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