【12月11日 AFP】欧州連合(EU)首脳会議は10日、途上国の温暖化対策に数十億ドル規模の支援を行う方向で協議を開始した。デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)で開催中の国連気候変動枠組条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第15回締約国会議(COP15)に弾みをつける狙いがある。

 温暖化対策で世界の牽引役を目指すEUは、ブリュッセル(Brussels)で2日間の日程で行われる首脳会議で、2010~12年の3年分として途上国に計60億ユーロ(約7800億円)の拠出を決定するものと見られる。

 同日に各国が申し出た拠出額は、英国が8億ポンド(約1150億円)、現在EU議長国のスウェーデンが7億6500万ユーロ(約1000億円)、デンマークとベルギーとフィンランドがそれぞれ1億~1億6000万ユーロ(約130億~200億円)となっている。ドイツとフランスは、拠出額を明らかにしていない。

 EUは、域内の温室効果ガス排出量の削減幅を「20年までに1990年比20%」としているが、先進諸国が同様の目標を掲げた場合には「30%」に引き上げる意向を示している。これに対してフランスのジャンルイ・ボルロー(Jean-Louis Borloo)エコロジー・エネルギー・持続的開発相は、30%への引き上げは「早急に」行われるべきだと発言した。(c)AFP/Richard Ingham