【11月25日 AFP】職場での不当な扱いに対する不満をため込む人は、心臓発作の発症リスクが2倍に高まるとの研究結果が、24日の英医学専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に発表された。一方、怒るなど自分の感情をオープンに表現する人については、心臓発作の発症リスクに変化はなかったという。

 スウェーデン・ストックホルム大学(Stockholm University)のストレス研究チームは1992年、男性2700人以上を対象に「こっそり耐える」ことに関する研究を開始した。被験者の平均年齢は41歳。

 他人と対立した際の反応の仕方で被験者を「何も言わない」「逃げる」「家で怒りをぶちまける」などのグループに分類した。

 その結果、いつもまたはときどき対立から「逃げる」グループは、心臓発作の発症リスクや心疾患で死亡するリスクが3倍、概して対立を避ける人のリスクは2倍になることが分かった。一方、対立している相手に直接意見をぶつけたり、怒りをあらわにするグループでは、発症リスクは増加しなかった。

「こっそり耐える」ことは心臓血管系疾患の発症リスクの増加と強く関連していると研究は指摘する。

 英心臓基金(British Heart Foundation)の心疾患上級看護師のジュディー・オサリバン(Judy O'Sullivan)氏はこの研究について、「人はそれぞれ違ったことにストレスを感じ、ストレスの症状は多岐にわたる」とした上で、職場でも家庭でもストレスに前向きに耐える方法を見出すことが重要だと語った。

 調査開始当初、被験者の中に心臓発作を起こした人はいなかったが、2003年までに47人が心臓発作を起こすか、心疾患で死亡した。(c)AFP