【10月13日 AFP】エチオピア人女性が4年前に作り始めたエコな靴が売れている。古タイヤと伝統的な布地を使用して作られたもので、「アフリカ版ナイキ(Nike)」の異名をとる。

 首都アディスアベバ(Addis Ababa)にある作業所では、40人の靴職人たちがこの「SoleRebels」ブランドの靴作りにいそしんでいる。タイヤをハンマーでなめしてカットし、布地を縫いつけると、ゼロ・エミッションの靴が完成する。

 靴職人のベツレヘム・アレム(Bethlehem Tilahun Alemu)さん(30)が2005年に立ち上げたこのブランドの運動靴やサンダルは、今や欧米にも輸出されている。少なくとも75ある仕入れ先の懐も潤わせている。

 2人の子どもの母親でもあるアレムさんは、「ここでは昔から、古タイヤで作られたサンダルが履かれてきました。わたしは、オーガニックコットンと地元のレザーを使ってさらに発展させたいと思ったんです」と話す。

 ちなみに、「SoleRebels」というブランド名は、それほど遠くない過去における数々の紛争でエチオピアの戦士たちが好んで履いていたサンダルにちなんで付けられた。

 エチオピアの人口は約8000万人とアフリカではナイジェリアに次ぐ第2位だが、最も貧しい国の1つでもあり、干ばつや飢饉(ききん)にたびたび見舞われている。1991年の軍事政権の転覆と90年代の隣国エリトリアとの国境紛争では、8万人の死者が出て、経済をさらにどん底に追いやった。

「わたしが小さかったころ、国は戦争をやっていて、古タイヤで作ったサンダルを履いていた戦士たちは人々に希望を与えてくれていたんです」と、アレムさんは語ってくれた。(c)AFP/Emmanuel Goujon

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