【4月28日 AFP】かつてナチス(Nazi)ドイツのアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所の関連施設だった学校の壁を取り壊していた作業員らが、65年前に収容者らが書いたメッセージが入ったボトルを発見した。アウシュビッツ博物館(Auschwitz museum)が27日、明らかにした。

 このメッセージは、ポーランド南部オシフィエンチム(Oswiecim)の職業訓練学校で最近行われた壁の解体作業中に発見された。この建物は、第2次大戦時にナチス・ドイツが建設したアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の警備員用の倉庫として使用されていたもので、ボトルは壁のしっくいの中に押し込められていたという。

 メッセージは鉛筆で書かれたもので、ポーランド人4人、リヨン(Lyon)出身のフランス人1人を含む計7人の収容者の氏名と年齢、収容者番号が記されていた。全員、18歳から20歳までの若者だという。

 27日AFPの電話インタビューに応じたアウシュビッツ博物館の歴史学者、Jerzy Mensfelt氏によると7人のうち2人は生き延びたことが分かっているが、強制収容所を出た後の消息は不明だと語り、「2人が今も生きていたら80歳代のはず。今回のニュースで新たな情報が寄せられるかもしれない」と期待を寄せている。

 ジェノサイド(ユダヤ人虐殺)を目的に建設されたアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所では第2次大戦中、100万人以上が命を落とした。(c)AFP