【9月14日 AFP】(一部更新、写真追加)モスクワ(Moscow)発ペルミ(Perm)行きのアエロフロート・ロシア(Aeroflot Russian)航空のボーイング(Boeing)737型旅客機が14日午前5時(日本時間14日午前8時)ごろ、ロシア中部ウラル(Ural)山脈のペルミ近郊で墜落した。子ども7人と外国人21人を含む乗客・乗員88人全員が死亡した。ロシアの通信社各社が同日、非常事態省の発表として報じた。

 亡くなった外国人の国籍は、アゼルバイジャンが9人、ウクライナが5人、フランス、スイス、ラトビア、ドイツ、トルコ、イタリアが各1人だった。米国人1人も死亡したとの情報があり、米当局が確認を急いでいる。アエロフロート航空は当初、犠牲者のなかに外国人はいないと発表していた。

 同社によると事故機は、着陸前のため1100メートルまで高度を下げた直後に通信が途絶え、管制塔のレーダーから機影が消えた。ペルミ市境付近で見つかった機体は炎上し全壊していたという。

 これに先立ち捜査官は国営ロシア通信(RIA)に対し、事故機は市境付近の峡谷に墜落しており、乗っていた乳児1人と82人の乗客と乗員5人は、予備情報によると全員死亡したと述べていた。

 しかしRIAが軍関係者の話として報じたところによると、事故機は集合住宅地のすぐそばに墜落し、捜査のため警察が付近一帯を封鎖しているという。

 事故原因については明らかになっていないが、RIAによると関係者は飛行中にエンジンから出火し爆発した可能性があると語った。機体の破片が約4キロメートル四方に飛び散っているという。ロシアのテレビ局Vesti-24は「事故機は炎を引きながら墜落し、まるで流れ星のようだった」という目撃者の証言を伝えた。

 事故現場近くを通るシベリア鉄道(Trans-Siberian Railway)も、線路など施設の一部が被害を受け、一部運休となっているほか、ダイヤに遅れが出ている。

 インタファクス(Interfax)通信によると、同機は14日午前1時12分、モスクワ・シェレメチェボ(Sheremetyevo)国際空港を出発した。

■ロシアの空の安全に懸念

 2007年にロシアでは33件の航空機事故が発生し、318人が死亡した。航空機事故の死者数は2005年の6倍に増えており、同国の民間航空の安全性に深刻な懸念がもたれている。専門家はスタッフの訓練不足と旅客機の老朽化を指摘している。

 1月に発表された調査によると、ロシアの航空会社の旅客機の平均機齢は国際線で18年、国内便で30年だった。(c)AFP