【8月9日 AFP】(写真追加)グルジアとロシア軍の間で激しい戦闘が行われている南オセチア(South Ossetia)自治州に近いグルジアの都市ゴリ(Gori)は9日、ロシア軍の攻撃を受け住民数百人が避難した。目撃者によれば多数の死者が出ている。

 グルジア国防省の報道官によると、ロシア軍機はゴリとその周辺を、午前8時30分から午後12時30分(日本時間午後1時30分から午後5時30分)にかけて少なくとも3回攻撃した。

 同報道官によれば、攻撃は橋梁はゴリ周辺の軍事基地をねらったものだったが、住宅地も被害をうけたという。攻撃はグルジア軍がロシア軍機1機を撃墜するまで続いたという。

 グルジアのテレビ局は道路に倒れた遺体や、炎上する住宅などの映像を放送した。公式な犠牲者数は発表されていないが、目撃者がAFPに語ったところでは死亡者は多数に上るという。

 攻撃の直後に現場に入ったAFPの記者は、数棟の集合住宅が破壊され、部分的に炎を上げている状況を目撃した。恐怖にかられた住民はその場所から避難する準備をしていた。

 攻撃時、近くにいたという男性は建物の残がいを指差し、「これを見てくれ。ここで2時間前に起きたことが、いつまた俺たちの身に降りかかるかわからないんだ」と話し、なるべく早く家族を連れてゴリから離れるつもりだと語った。

 自動車と、乗客を満載したバスがグルジアの首都トビリシ(Tbilisi)に向かって逃げていた。サイレンを鳴らした救急車が頻繁に行き来していた。ゴリの総合病院の周囲には身内の消息を求め心配に打ちひしがれた様子の数十人が集まっていた。

 地元に住むSergo Batamanashviliさん(18)は、母親と妹は既にゴリから逃げたが、自分は逃げず、軍に入るつもりだと語った。「ここは僕の祖国、グルジアなんだ。明日軍に入るつもりです」(c)AFP/Oksana Grytsenko and Samantha Shields