【10月27日 AFP】カナダの最西端ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州で、絶滅のおそれがある「マウンテンカリブー」を保護するため218万ヘクタールにおよぶ保護区域の設定が決まった。

 2008年初頭までに、現存する180万ヘクタールの自然保護区に38万ヘクタールの土地が追加設定される。また、区域内ではマウンテンカリブーの天敵が間引きされるという。

 ブリティッシュコロンビア州のマウンテンカリブーの保護は、複数の環境保護団体から3年間にわたり強く訴えられており、州当局には保護を求める1万5000件の電子メールが殺到していた。

 マウンテンカリブーは現在、ブリティッシュコロンビア州南東から米国のワシントン(Washington)州、アイダホ(Idaho)州、モンタナ(Montana)州にかけて、わずか12ほどの群れが存在するのみ。

 ブリティッシュコロンビア州のヒマラヤスギやマツなどの森林は、州経済の総生産全体の3%を占める林業の影響で広大な範囲が切り倒されている。その結果マウンテンカリブーの食料源が減り、春夏に隠れる場所もなくなった。また森林の減少に伴い、シカやヘラジカなどの動物とともにその天敵も流入した。

 同州はマウンテンカリブー保護のために、カリブーの生息地域での道路建設の禁止に踏み切った。州当局は300万ドル(約3億4000万円)の予算を確保。保護区拡大は環境団体だけでなく林業関係企業も支持しているという。(c)AFP/Philippe Moulier