カンボジア特別法廷の再開問題、判事ら調整会議に期待
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【6月4日 AFP】1970年代のポル・ポト(Pol Pot)政権時代の虐殺の責任を追及するカンボジア特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of Cambodia、ECCC)の開始が難航している問題で、カンボジア人判事および外国人判事らは4日、昨年11月から4回目となる合同調整協議を開始した。
■遅れる裁判開始時期
国連(UN)とカンボジア政府の共同出資による国内法廷として設置された同法廷では、カンボジア人判事と外国人判事による合議制を採用したが、裁判規定をめぐる両者の不一致などが原因で、開始が大幅に遅延している。
当初、同法廷の初公判は今年行われる予定だった。しかし現時点で、早くても2008年まで持ち越されるものと見られる。
■裁判開始へ向け、期待高まる
しかし、今回の調整協議では、裁判開始へ向けて13日までに結論を出せるだろうと楽観視する向きが多い。19人の判事のひとり、Marcel Lemonde判事は「みな比較的、楽観している。ようやく審理開始にこぎつけられる雰囲気がある」と述べた。
一方、Silvia Cartwright判事は、安易な交渉は期待できず、「満足できる結論に達すると自信を持てるような段階ではない」と慎重な姿勢を示す。
カンボジア人判事と外国人判事らは前週、別々に会合を開き、4日の合同会議に備えた。裁判運営の細部にまで適用される裁判規定については、すでに100項目以上が提起されており、何人かの判事らは既に承認する意向を示している。
しかし、カンボジアの国内法と国際法を組み合わせた法廷設置により、実効性が弱まることを懸念する一部の判事らは、合同協議でこれらの提起を見直すことを求めている。それでも「裁判規定が現在の形で採択されれば、自由で公正透明な裁判の基盤は整う」と、Cartwright判事は述べる。
裁判規定に関する判事間の意志の一致は、約10年にわたりカンボジア政府と国連の間で調整が続けられてきた同法廷の開始へ向け、大きな一歩となる。
■裁判開始遅延の背景
同法廷は2006年7月に公式に発足し、当初は同年末に開廷が予定されていた。しかし、裁判規定をめぐる調整が難航したほか、国連(UN)負担金を拠出する各国がカンボジアに求めた反汚職法の制定が遅れ、開始が大幅に遅れた。
一部の専門家は、ポル・ポト派の元幹部らを裁判にかけた場合、現フン・セン(Hun Sen)政権の閣僚も追及を受ける可能性があるため、カンボジア政府が裁判の実現を望んでいないと非難してきた。また同法廷により、ポル・ポト派(クメールルージュ、Khmer Rouge)最大の後ろ盾だった中国に対しても責任追及がおよぶ可能性もある。
■元幹部ら高齢化、急を要す裁判開始
1975年から1979年のポル・ポト政権時代には、飢餓や強制労働、処刑などで最大200万人が虐殺されたといわれる。
しかし、ポル・ポト元首相は1998年に死去。拘置されていた元幹部タ・モク(Ta Mok)元参謀総長も、昨年7月に死亡した。拘置中の残る元幹部は1人だけで、ほかの被告数人は国内で何らの拘束も受けずに生活しているが、元幹部らの高齢化が進んでおり、今回の協議が裁判を実現する最後の機会だと、人権団体などは焦りを募らせている。
カンボジアの人々にとって、ポル・ポト時代の不正を追及できるかどうかは、裁判の早急な開始にかかっている。次週までに判事らが裁判規定の合意に至れば、最初の審理が短期間で開始される道が開ける。
カンボジア人判事のKong Srim氏は、「われわれの目の前にある使命は大変重要だが困難なプロセスだ。われわれ全員がそれを理解している」と述べた。(c)AFP/Seth Meixner
■遅れる裁判開始時期
国連(UN)とカンボジア政府の共同出資による国内法廷として設置された同法廷では、カンボジア人判事と外国人判事による合議制を採用したが、裁判規定をめぐる両者の不一致などが原因で、開始が大幅に遅延している。
当初、同法廷の初公判は今年行われる予定だった。しかし現時点で、早くても2008年まで持ち越されるものと見られる。
■裁判開始へ向け、期待高まる
しかし、今回の調整協議では、裁判開始へ向けて13日までに結論を出せるだろうと楽観視する向きが多い。19人の判事のひとり、Marcel Lemonde判事は「みな比較的、楽観している。ようやく審理開始にこぎつけられる雰囲気がある」と述べた。
一方、Silvia Cartwright判事は、安易な交渉は期待できず、「満足できる結論に達すると自信を持てるような段階ではない」と慎重な姿勢を示す。
カンボジア人判事と外国人判事らは前週、別々に会合を開き、4日の合同会議に備えた。裁判運営の細部にまで適用される裁判規定については、すでに100項目以上が提起されており、何人かの判事らは既に承認する意向を示している。
しかし、カンボジアの国内法と国際法を組み合わせた法廷設置により、実効性が弱まることを懸念する一部の判事らは、合同協議でこれらの提起を見直すことを求めている。それでも「裁判規定が現在の形で採択されれば、自由で公正透明な裁判の基盤は整う」と、Cartwright判事は述べる。
裁判規定に関する判事間の意志の一致は、約10年にわたりカンボジア政府と国連の間で調整が続けられてきた同法廷の開始へ向け、大きな一歩となる。
■裁判開始遅延の背景
同法廷は2006年7月に公式に発足し、当初は同年末に開廷が予定されていた。しかし、裁判規定をめぐる調整が難航したほか、国連(UN)負担金を拠出する各国がカンボジアに求めた反汚職法の制定が遅れ、開始が大幅に遅れた。
一部の専門家は、ポル・ポト派の元幹部らを裁判にかけた場合、現フン・セン(Hun Sen)政権の閣僚も追及を受ける可能性があるため、カンボジア政府が裁判の実現を望んでいないと非難してきた。また同法廷により、ポル・ポト派(クメールルージュ、Khmer Rouge)最大の後ろ盾だった中国に対しても責任追及がおよぶ可能性もある。
■元幹部ら高齢化、急を要す裁判開始
1975年から1979年のポル・ポト政権時代には、飢餓や強制労働、処刑などで最大200万人が虐殺されたといわれる。
しかし、ポル・ポト元首相は1998年に死去。拘置されていた元幹部タ・モク(Ta Mok)元参謀総長も、昨年7月に死亡した。拘置中の残る元幹部は1人だけで、ほかの被告数人は国内で何らの拘束も受けずに生活しているが、元幹部らの高齢化が進んでおり、今回の協議が裁判を実現する最後の機会だと、人権団体などは焦りを募らせている。
カンボジアの人々にとって、ポル・ポト時代の不正を追及できるかどうかは、裁判の早急な開始にかかっている。次週までに判事らが裁判規定の合意に至れば、最初の審理が短期間で開始される道が開ける。
カンボジア人判事のKong Srim氏は、「われわれの目の前にある使命は大変重要だが困難なプロセスだ。われわれ全員がそれを理解している」と述べた。(c)AFP/Seth Meixner