マッカーシー氏は「帝政ロシア時代のサンクトペテルブルク(St Petersburg)から、米国の寂れた工業地帯まで旅をしたというストーリーには、語るべき価値がある」と感嘆している。

 このエッグが最後に公開されたのは、112年前にサンクトペテルブルクで行われたロマノフ朝のファベルジェ・コレクションの展示会でのことだった。その後、ロシア革命の混乱の中、ボルシェビキ派(Bolsheviks)が皇后から没収。1922年にソ連がモスクワ(Moscow)で売却を決定したとの記録があるが、その後の行方は分からず、金として溶かされてしまったのではないかと長らく懸念されていた。

 しかし、1964年3月にニューヨークでわずか2450ドル、現在の価格にして1万8500ドル(約190万円)で売られていたことを、2011年にファベルジェの研究者たちが発見した。この際には、その来歴は知られることなく、「卵の形をしたケースに入った金の時計」として売られていたという。(c)AFP

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