■USAIDが政治化する恐れも

 しかしAP通信の報道でキューバ国民に「フラッシュモブ」(特定の場所に多数の人が集結して突発的にパフォーマンスなどを繰り広げる行為)や共産党政府に対するデモを促す政治的なコンテンツが登場していると伝えられると、問題視する声が上がり始めた。通常、他国政府の善意に基づいて人道支援を行っているUSAIDをこうしたプログラムに関わらせると、USAIDが政治化しかねない。

 米上院司法委員会(Senate Judiciary Committee)のパトリック・レーヒー(Patrick Leahy)委員長は米MSNBCテレビに対し、このプログラムについて報告を受けていなかったと明らかにするとともに、「(他国の)体制変革を促そうとしてこうした秘密工作を行うなど全くのナンセンスだし、仮に何らかの意味があるとしても、USAIDを介して行うべきことではない」「USAIDは世界中で数多くの素晴らしいことをしているが…これは別だ」と非難した。

 USAIDのウェブサイトには、表現の自由の促進はUSAIDがキューバで実施している主な活動の1つであり、「キューバ国内と世界」からキューバ国民に関係があるニュースや情報を提供していると書かれている。また書籍や雑誌、新聞、小冊子などを通じてそうした活動を行っており「ソーシャルメディアの活用促進に重点を置いている」とも述べている。

 カーニー大統領報道官は、開かれた形でキューバに民主主義を広めるための予算は米議会によって割り当てられており、今回のプログラムは米政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)の監査も受けていると述べた。(c)AFP/Stephen COLLINSON