■全米に2万7000キロ余りの高速鉄道網構想

 推進派はこの路線を、全米高速鉄道網の建設に向けた足掛かりとしたい考えだ。米国高速鉄道協会(US High Speed Rail AssociationUS HSR)は、全米の大都市を結ぶ2万7000キロ余りの高速鉄道の開発構想を掲げている。

 高速鉄道建設に賛成するカリフォルニア州住民の団体「Californians For High Speed Rail」のシア・セルビー(Thea Selby)諮問委員は、プロジェクトの予想費用が900億ドル(約9兆1000億円)から680億ドル(約6兆9000億円)に引き下げられたことで、この大規模事業をめぐる有権者の不安が軽減されるのではないかとの見解を示した。ただ進歩的なカリフォルニア州でさえ、世論調査ではプロジェクトに対する一般市民の相反する感情が浮き彫りになっている。

 アンディ・クーンツ(Andy Kunz)US HSR会長は、国防費1年分を振り向ければ2万7000キロ余りの高速鉄道網全線の建設費をまかなうことができると指摘し、「資金がないわけではない。他に数兆ドル規模の支出があるのを背景に、資金がないふりをしているだけだ」と述べた。クーンツ会長によると、年間の費用300億ドル(約3兆400億円)、工期20年と推計されているこの大型プロジェクトは、1950年代に全米で張り巡らされた高速道路網の建設に匹敵する規模だという。

 今年2月26日、オバマ大統領は全米各地の高速道路や橋、線路の再建に4年間で3000億ドル(約30兆4000億円)を投じる案を提示したものの、共和党は無駄な公共事業だと冷笑を浴びせた。当面は、高速鉄道網計画をめぐる意見の対立が解消することはなさそうだ。(c)AFP/Ivan Couronne